朗読劇版「成瀬は天下を取りにいく」岩田陽葵ら出演！公演詳細＆見どころを徹底解説

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』が2025年9月13日～15日に草月ホールにて上演されます。本屋大賞受賞作を原作とし、日替わりキャスト制で展開される本公演の概要、キャスト情報、そして初日公演のオフィシャルレポートをお届けします。

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』公演概要

• 公演名: 朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』
• 公演日: 2025年9月13日（土）～15日(月祝)
  • 9月13日（土） 昼の部：開演14:30、夜の部：開演18:30
  • 9月14日（日） 昼の部：開演14:30、夜の部：開演18:30
  • 9月15日（月祝） 昼の部：開演13:00、夜の部：開演17:00
  • ※開場は開演の30分前を予定しております。
• 会場: 草月ホール（東京都港区赤坂 7-2-21 草月会館地下 1 階）
• 原作: 宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』（新潮文庫刊）
• 演出: 野坂実
• 脚本: 土城温美
• 主催・製作: 松竹株式会社
• 後援: 日本テレビ放送網株式会社

本屋大賞受賞作『成瀬は天下を取りにいく』朗読劇化の魅力

原作である宮島未奈氏の小説『成瀬は天下を取りにいく』は、2023年の刊行以来、「こんな主人公に会ったことがない」と読者から高い評価を受け、本屋大賞をはじめとする数々の賞を受賞しました。続編『成瀬は信じた道をいく』と合わせてシリーズ累計150万部を突破する社会現象的な作品です。滋賀・大津を舞台に、「自分が決めたことは必ずやり遂げる」女子高生・成瀬あかりの突き抜けた行動力と、周囲を巻き込んでいく姿が描かれています。

この物語が、朗読劇という形式でステージに立ち上がります。人気と実力を兼ね備えた声優陣による日替わりキャスト制が採用されており、公演ごとに異なる表現を楽しむことができる構成です。

物語は2020年、中学2年生の夏休みに始まります。幼馴染の成瀬が、コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るという奇妙な宣言をします。M-1挑戦、自身の髪での長期実験、市民憲章の暗記と全うなど、常に全力で我が道を突き進む成瀬あかりの姿から目が離せない青春劇です。

日替わりキャストで彩られる朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』出演者情報

本公演は日替わりキャスト制を採用しており、各公演で異なる組み合わせのキャストが朗読劇を彩ります。

公演日程別主要キャスト

• 9月13日（土）: 岩田陽葵（成瀬あかり役）／紡木吏佐（島崎みゆき役）／梅田修一朗（西浦航一郎役） 他
• 9月14日 （日）: 安済知佳／諏訪ななか／今井文也 他
• 9月15日（月祝）: 若山詩音／青木陽菜／石谷春貴 他

初日公演オフィシャルレポート：岩田陽葵、紡木吏佐、梅田修一朗が魅せた『成瀬』の世界

2025年9月13日（土）に上演された初日公演では、成瀬あかり役を岩田陽葵氏、島崎みゆき役を紡木吏佐氏、西浦航一郎役を梅田修一朗氏が担当しました。

成瀬あかり役：岩田陽葵氏の表現

岩田陽葵氏が演じる成瀬あかりは、一見突飛で常識外れに見える言動の奥にある「まっすぐさ」や「孤独」といった繊細な感情が丁寧に表現されました。感情を爆発させるシーンだけでなく、日常会話の中に滲む決意や、他人とのズレを恐れずに貫く言葉の“強さ”が極めて自然なトーンで表現されています。朗読劇という形式においても、その声には圧倒的な熱量と説得力が宿り、観客が成瀬の言葉に心を寄せる力が示されました。岩田氏が舞台やメディアミックス作品で培ってきた芝居の芯の強さ、明るさの中に垣間見える繊細な感情表現が、成瀬の多面性を鮮やかに浮かび上がらせた点も特筆されます。

島崎みゆき役：紡木吏佐氏の表現

紡木吏佐氏が演じる島崎みゆきは、成瀬あかりという“異質な親友”を傍で見守る存在として、バランスの取れた演技を披露しました。成瀬の突飛な行動に驚きつつも、それを否定せず受け入れていく包容力を持ち、観客にとっての“共感の窓口”となる存在感を確立しています。声には自然な親しみやすさと柔らかさがあり、それが島崎の等身大の魅力と重なり、物語のリアリティを支えました。感情の起伏を大げさにせず、抑えたトーンで見せる演技は、舞台全体に落ち着きと安心感を与え、成瀬という強烈な個性を受け止める“もう一人の主人公”として、島崎の繊細な人間性を的確に体現し、舞台の深みを引き出しました。

岩田陽葵氏と紡木吏佐氏の掛け合い

岩田陽葵氏と紡木吏佐氏の掛け合いは、物語の感動やリアリティを支える重要な要素であり、特に“漫才”のような軽快なやり取りが本公演の大きな魅力の一つとなりました。成瀬と島崎の関係性は、「ボケとツッコミ」のような構造に近く、岩田氏演じる成瀬の常識にとらわれない言動に対し、紡木氏演じる島崎が冷静かつ的確なツッコミを入れることで、まるで本物の漫才コンビのようなテンポ感と絶妙な“間”が生まれ、観客を笑いに包みました。ただの笑いに終わらず、成瀬の無茶ぶりを受け止めながらも、島崎自身も影響を受けて変わっていく成長の過程が、二人の会話やツッコミの“温度の変化”として滲み出ており、笑いの中に感動が同居する表現がなされました。

西浦航一郎役：梅田修一朗氏の表現

梅田修一朗氏が演じる西浦航一郎は、物語の中で最も“普通”に近い存在でありながら、その“普通さ”に誠実な深みを与えた演技が光りました。成瀬あかりの強烈な個性に衝撃を受けつつも、自身の心と葛藤し、やがて彼女のまっすぐさに感化されていく揺れ動く感情が、声の細やかな表現で丁寧に描かれました。成瀬との関わりの中で、言葉のトーンや間の取り方に変化が生まれ、成瀬の想いに触れた西浦が、彼女の“信じる力”を受け入れていく過程が、誇張されることなくリアルに伝わります。派手なセリフや感情の爆発がなくとも、内側から滲み出る“まなざし”のような声の芝居には、静かな余韻がありました。

岩田陽葵氏と梅田修一朗氏のシーン

岩田陽葵氏（成瀬あかり役）と梅田修一朗氏（西浦航一郎役）のシーンは、物語の中で特に印象的な瞬間のひとつでした。成瀬の明るく突き抜けた性格と、西浦の穏やかでやや慎重な態度が対比をなし、二人の掛け合いには自然と緊張感と温かみが同居しました。岩田氏のエネルギッシュなセリフ回しが西浦氏の冷静なツッコミやリアクションにぶつかり合うことで、リアルな高校生同士のやり取りのような臨場感が生まれています。特に、成瀬が「二百歳まで生きようと思っている」と語るシーンでは、岩田氏の熱量と決意の強さが伝わり、それに対し梅田氏は戸惑いながらも徐々に彼女の真剣さを受け入れていく様子を繊細に表現しました。二人の声が重なり合い、時にぶつかり合いながらも、相互理解へと向かうプロセスが観客の心を打ちました。

演出と音楽

本公演の演出は、リアリズムと会話劇に定評のある演出家・野坂実氏が手掛けました。「声だけで世界を立ち上げる」という朗読劇の特性と野坂氏の演出が絶妙にマッチし、セリフの間、呼吸の流れ、登場人物同士の距離感といった要素が、「リアルな高校生たちの青春」として舞台上に表現されました。また、朗読劇のために書き下ろされたオリジナル音楽も、本作の世界観を大きく支え、野坂氏の演出と調和することで、言葉と音が一体となった“情景”を立ち上げています。特に成瀬あかりというキャラクターの“浮き立つような個性”を強調しつつも、物語全体を包む静かな温度感や空気の揺らぎを丁寧に演出している点も印象的です。

アフタートークでのコメント

終演後のアフタートークでは、岩田陽葵氏、紡木吏佐氏、梅田修一朗氏の三名が本公演の感想、役への思い、演出について語りました。

岩田陽葵氏は、原作に強い人物像があるからこそ、自身の声で演じることに不安があったと正直な心境を明かし、観客からの拍手に笑顔を見せました。紡木吏佐氏は、今回の朗読劇が3公演ともキャストが異なり、それぞれに違う解釈があり、観るたびに新しい発見がある舞台になっていると語りました。梅田修一朗氏は、これまで比較的しっかりした役柄を演じることが多かったため、今回のように揺れ動く高校生の役はチャレンジだったと述べ、新しい一面を見せたいという思いで取り組んだことを明かしました。三名とも、野坂演出の許容する即興の余地や、演技の呼吸を取ることの重要性を口にし、同じ台本でも日ごとに異なる空気が生まれるのが朗読劇の醍醐味であると話しました。

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』チケット情報

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』のチケット情報は以下の通りです。

チケット料金

• SS席：11,000円(税込)
• S席：9,900円(税込)
• A席：8,800円(税込)
• B席：6,600円(税込)

一般(先着)チケット購入先

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』公式サイトで詳細をチェック

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』の最新情報や詳細については、公式サイトおよび公式X（旧Twitter）をご確認ください。