日本橋三越本店と三越名古屋栄店の2会場にて、漫画家・絵本作家やなせたかし氏の軌跡をたどる展覧会が開催されます。本展では、三越宣伝部時代の貴重な資料や代表作の絵本世界、連続テレビ小説「あんぱん」展も同時開催され、子供から大人まで楽しめる企画が満載です。展覧会の内容、見どころなどを詳しく紹介するのでぜひ参考にしてください。
目次
「やなせたかしと三越~3頭のライオンとの出会い~」展覧会概要
- 会期・会場:
- 日本橋三越本店:
- 会期: 2025年8月20日(水)~9月2日(火)
- 会場: 本館1階 中央ホール
- 日本橋三越本店:
-
- 三越名古屋栄店:
- 会期: 2025年9月10日(水)~9月29日(月)
- 会場: 3階特設会場、地下ショーウィンドウ
- 三越名古屋栄店:
やなせたかし展の魅力と見どころ
本展では、アンパンマンの生みの親として知られるやなせたかし氏の原点から、その多彩な活動の軌跡をたどることができます。三越宣伝部での在籍経験や、彼の人生に大きな影響を与えたエピソード、そして代表作に至るまでの貴重な資料が公開されます。
巨大絵本型展示で辿るやなせたかし氏の功績
会場の目玉となるのは、高さ2mを超える絵本型展示です。来場者はクイズ形式の体験を通して、やなせ氏の物語や資料に触れながら楽しく学ぶことができます。やなせ氏が三越宣伝部時代に手がけたポスターや包装紙デザイン、社内報など、初公開となる貴重なクリエイティブ資料も多数展示されます。
また、やなせ氏が故郷・高知県の発展を願って生み出した「高知県防災キャラクター」や「土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線キャラクター」など、個性豊かな高知県ゆかりのキャラクターも一堂に紹介されます。3頭のライオンにまつわる出会いや経歴をはじめ、さまざまなキャラクターとの出会いが詰まった本展で、学びと発見に満ちたひとときを過ごすことができるでしょう。
三越宣伝部時代の貴重なクリエイティブ資料を公開
やなせたかし氏は1947年から三越宣伝部に在籍し、社内報での漫画執筆や店内ポスターのデザインを手掛けていました。本展では、その時代の貴重な資料が初公開されます。
三越包装紙「華ひらく」に刻まれたやなせ氏のレタリング
1950年、三越の包装紙デザイン一新に際し、やなせ氏は洋画界の重鎮である猪熊弦一郎氏のアトリエにデザイン依頼に伺いました。その際、猪熊氏の一言により、現在も包装紙に記されている「mitsukoshi」のレタリングは、やなせ氏が自筆したものです。その制作秘話とともに、当時の資料が展示されます。
三越劇場ポスターと社内報「みつ子さん」の魅力
やなせ氏が三越で手がけた仕事の中でも、特に心躍ったと語るのが三越劇場のポスター制作です。1枚の絵に物語を込めた当時のポスターが展示されます。また、社内報に連載されていた4コマ漫画「みつ子さん」も本会場で全話公開されます。クスッと笑える日常を描いた「みつ子さん」には、やなせ氏の漫画家としての才能とユーモアが随所に光ります。
子供も大人も惹きつけるやなせたかし絵本の世界
本展では、やなせ氏の代表作のひとつである絵本『やさしいライオン』と、最初のアンパンマンの絵本『あんぱんまん』が紹介されます。国民的キャラクター「アンパンマン」は、やなせ氏自身の実体験がルーツとなっています。幼少期に財布を落として困っていた際、通りかかった同級生親子に助けられ、電車の中でアンパンを分けてもらった心温まる出来事などが創作の源となったとされています。
会場では、絵本『やさしいライオン』をはじめとする名作絵本の初出時のパネル展示や、実際に絵本を手に取って読める読書コーナーも用意されています。長きにわたり読み継がれるやなせ氏の独自の世界観を、会場で体感することができます。
連続テレビ小説「あんぱん」展の同時開催とスペシャル企画
本展では、連続テレビ小説「あんぱん」展が同時開催されます。「あんぱん」は、人気キャラクターの生みの親であるやなせたかし氏と妻・暢氏の夫婦をモデルに、苦悩の日々と戦いながらも夢を忘れなかった二人の人生を描く物語です。“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』の誕生にたどり着くまでを描く、愛と勇気の物語です。
本会場では、実際に使用された衣装や小道具、ドラマのあらすじや登場人物を紹介する「番組紹介パネル」が展示され、物語の世界を楽しめる空間が広がります。
脚本家 中園ミホさんトークショー
連続テレビ小説「あんぱん」の脚本家である中園ミホさんをお招きして、トークショーが開催されます。やなせたかし氏との出会いや、ドラマのメッセージ、裏話など「あんぱん」への想いを楽しむことができます。
- 日時: 8月20日(水)午後2時~(約30分)
- 会場: 本館1階 中央ホール
- ※お立ち見での観覧となります。
- ※当日の席取りはご遠慮ください。
- ※イベント中の撮影は禁止されています。
やなせたかし氏の多岐にわたる活動とプロフィール
やなせたかし氏は、新聞記者、百貨店媒体の制作経験を経て独立し、漫画家、詩人、絵本作家などマルチに活動しました。童謡の作詞も手がけるなど多方面で活躍し、その代表作は「アンパンマン」シリーズや『やさしいライオン』です。
- 1919年: 高知県生まれ
- 1925年: 高知市立第三尋常小学校(現高知市立はりまや橋小学校)入学
- 1926年: 後免野田組合尋常小学校(現南国市立後免野田小学校)転校
- 1937年: 東京高等工芸学校工芸図案科(現千葉大学工学部)入学
- 1946年: 高知新聞社に入社、後に妻となる暢と出会う
- 1947年: 三越宣伝部に入社
- 1950年: 三越包装紙「華ひらく」のmitsukoshiの文字をレタリング
- 1953年: 三越を退社、漫画家として独立
- 1967年: コマ漫画「ボオ氏」で週刊朝日マンガ賞受賞
- 1973年: フレーベル館の月刊絵本「キンダーおはなしえほん」に『あんぱんまん』を掲載
- 1988年: 日本テレビ系列でアニメ『それいけ!アンパンマン』放映開始
- 2013年: 10月13日永眠(享年94歳)
展覧会詳細と関連情報
本展に関する詳細情報や最新情報は、以下の特設サイトよりご確認ください。
日本橋三越本店での開催情報
三越名古屋栄店での開催情報
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