ノウンズ株式会社が実施した「ハッピーセット「ポケモン」に関する意識調査」の結果が公開されました。本記事では、この調査の概要や詳細な結果についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
調査期間・対象・方法まとめ『ポケモン ハッピーセット』意識調査の概要
ノウンズ株式会社による「ハッピーセット「ポケモン」に関する意識調査」の概要は以下の通りです。
- 調査名: 「ハッピーセット「ポケモン」に関する意識調査」
- 調査期間: 2025年8月19日
- 実施主体: ノウンズ株式会社
- 調査対象: 全国の一般生活者
- 調査対象者数: 1,009名
- 調査方法: Knowns 消費者リサーチを通じたインターネット調査
ポケモンハッピーセット騒動と消費者意識の背景
マクドナルドの「ハッピーセット」は、子どもから大人まで幅広い層に親しまれている商品であり、人気キャラクターとのコラボレーションは恒例イベントとして定着しています。今回の「ポケモン ハッピーセット」では、特典であるポケモンカードを巡り、発売初日に特典が配布終了となる事態が発生しました。この背景には、転売目的による大量購入や食べ残しがあり、SNS上では大きな批判が巻き起こったとされています。
企業にとって「子ども向けキャンペーン」が炎上することはブランドへの影響が大きく、また消費者の価値観の変化や購買動機の複雑化を浮き彫りにするものでもあります。こうした背景から、ノウンズ株式会社は消費者がこの騒動をどのように受け止めたのかを調査しました。
マクドナルド利用頻度別に見るポケモンハッピーセット購入行動
直近3か月のマクドナルド利用頻度と購入行動の相関
直近3か月のマクドナルド利用頻度別に「ポケモン ハッピーセット」に対する購入行動を分析した結果が示されました。
- 実際に購入した(1〜2セット程度):151名
- 実際に購入した(3セット以上):74名
- 購入を検討したが買えなかった:180名
- 情報は知っていたが購入検討はしなかった:502名
- この調査で初めて知った:102名
マクドナルドの利用頻度が普段から高い層では、今回のハッピーセットの購入割合が比較的高かったとのことです。一方で、ライトユーザー層では「知っていたが購入はしなかった」や「この調査で初めて知った」といった回答が多い傾向が見られました。この結果は、キャンペーンの認知が必ずしも購買行動に直結するわけではなく、利用頻度によって参加度合いに差がある可能性を示唆しています。
ポケモンハッピーセット購入・検討の主な理由
子ども向けと大人の収集欲、購買動機の多様性
前問で「購入した」あるいは「購入を検討したが買えなかった」と回答した方を対象に、購入目的について尋ねた結果は以下の通りです。
- 子どもに喜んでもらうため:151名
- 自分のコレクション用:143名
- 家族や友人へのプレゼント用:71名
- 転売目的:15名
- 記念・話題性のため:19名
- その他:6名
「子どもに喜んでもらうため」や「自分のコレクション用」との回答が大部分を占めました。このことから、子ども向け商品でありながら、大人の収集目的でも支持されている傾向がうかがえます。また、転売目的と回答した人は少数にとどまっており、今回の騒動は一部の購入者による行為が注目された可能性があると考えられます。
ポケモンハッピーセットキャンペーン認知のきっかけ
SNSとニュースメディアによる情報拡散の役割
キャンペーンを知ったきっかけとしては、「SNS(X、TikTok,Instagram等)」が最多で353名、次いで「ニュースサイト・テレビ」が308名と多く挙げられました。
- SNS(X、TikTok,Instagram等):353名
- ニュースサイト・テレビ:308名
- マクドナルド公式アプリ・公式ホームページ:116名
- 家族・友人からの口コミ:56名
- 店頭で見かけた:58名
- その他:16名
一方で、「マクドナルド公式アプリ・ホームページ」や「店頭で見かけた」は比較的少数にとどまり、情報拡散にはSNSとニュースメディアが大きな役割を果たしていた傾向がうかがえます。その中にはマクドナルド公式アカウントの告知投稿を直接見たケースや、それが拡散されて認知に至ったケースも含まれると考えられ、公式発信そのものがSNSを通じて大きく広がった可能性も示唆されています。
ポケモンハッピーセット騒動の原因とマクドナルドへの印象変化
騒動の主な原因に関する消費者認識
今回のキャンペーンにおける騒動(転売目的の大量購入・食べ残しなど)の主な原因として当てはまると思うものを複数選択形式で尋ねた結果は以下の通りです。
- 一部購入者のモラル問題:680名
- 仕組み設計の甘さ(制限・受け渡し方式):524名
- 転売市場・プラットフォームの存在:393名
- 店舗オペレーション不足:240名
- SNSでの煽り・バズ文化:180名
- あてはまるものはない:34名
騒動の要因として「一部購入者のモラル問題」が最多で挙げられる一方、約5割が「仕組み設計の甘さ(制限・受け渡し方法)」も問題視しており、企業側の準備不足や対応の不十分さが消費者に認識されていることがうかがえます。
企業イメージへの影響と好感度の変化
今回のキャンペーンにおける騒動を知って、マクドナルドへの印象がどのように変わったかについては以下の結果となりました。
- 好感度が上がった(対応が良いと感じた):10.8%
- 変わらない:37.6%
- 好感度が下がった(準備不足・倫理面の問題を感じた):47%
- 特に印象はない:4.6%
その結果、今回の騒動を知った人のうち47%が「好感度が下がった」と回答し、準備不足や倫理面の問題を指摘する声が多く見られました。消費者は購買者の行動だけでなく、企業の設計や対応次第で信頼が左右される傾向が示されています。
今後のポケモンコラボキャンペーンへの参加意向
条件付き参加意欲と二極化する消費者層
今後、マクドナルドが今回のキャンペーンと同様のポケモンコラボを行った場合の参加意向を尋ねた結果は以下の通りです。
- 積極的に参加したい:119名
- 条件次第で参加したい:336名
- 興味はない:273名
- 参加しない:281名
「条件次第で参加したい」が33.3%と最も多く、完全に積極的な参加意欲は11.8%に留まりました。一方で、「興味はない」「参加しない」と回答した層も合計で約55%にのぼり、参加意欲は二極化している状況が見られます。このことは、多くの人が「内容次第で動く可能性はある」ものの、無条件で熱量を持って参加する層は限られることを示唆しています。
騒動から見えてくる消費者意識とブランド改善の可能性
今回の調査では、騒動の直接原因は一部のモラルに欠けた購入者による行為であったにもかかわらず、約半数が「マクドナルドの好感度が下がった」と回答しました。これは、消費者が購買者個人の行動だけでなく、キャンペーンの仕組みや運営のあり方にも目を向けていることを示しています。また、具体的な課題として「仕組み設計の甘さ」も挙げており、消費者の信頼は商品の人気だけでなく、企業の準備や対応によって大きく左右されることがうかがえます。
さらに、今後の参加意向については「条件次第で参加したい」が最多となり、適切な設計や対応があれば再び支持を得られる余地があることも示唆されました。今回の結果は、炎上リスクとともに、ブランド改善の可能性も浮き彫りにしたと言えるでしょう。
ノウンズ株式会社の消費者リサーチについて詳しく知る
本調査は、ノウンズ株式会社が提供する「Knowns 消費者リサーチ」を通じて実施されました。消費者の意識データをリアルタイムで取得できるサブスク型リサーチSaaSについて、さらに詳細な情報をご覧になりたい方は、以下のリンクより公式ウェブサイトをご確認ください。
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