インターネットに接続して遊ぶゲームも増えてきました。
オンラインゲームを快適に遊ぶ際に考えたいのは、通信環境の安定です。
有線か無線か、あるいは通信速度などはチェックしている人も多いと思いますが、実は「ping」も重要な要素のひとつなのです。
この記事ではpingについて解説するとともに、pingをどう活用するかについても紹介します。
目次
pingとは
pingという言葉にはいくつかの意味がありますが、インターネット回線におけるpingとは、応答速度のことを指します。
もう少し具体的に解説しましょう。
ゲーム機の側である操作をしたときに、まずそのデータをサーバーに送信します。
それに対してサーバーが返事をして、入力した操作がゲーム上で反映されます。
pingとはある操作がゲーム上に反映されるまでにかかる時間であり、この値が小さければ小さいほど、快適にオンラインゲームを楽しむことができます。
pingの値が大きすぎると、ゲームにラグ(遅延)が発生し、正常なプレイが難しくなります。
回線速度は十分あるのにラグが発生しやすいのは、ping値に問題がある可能性があります。
ping値は「ms」、つまり1000分の1秒単位で表されます。
例えば1msの場合は1秒間に1000回の通信ができますが、500msの場合は1秒間に2回の通信しかできません。
pingの測定方法
スマホで計測する
pingを計測する方法はいくつかありますが、手軽なのはスマートフォンでしょう。
各アプリストアで「回線速度」などと検索すると、いくつかのアプリが出てきます。
以下の画像は、「RBBスピードテスト」のものです。
ダウンロード、アップロードのほか、pingも測定されているのをお分かりいただけるでしょうか。
ただしあくまでスマホでの測定であり、実際にゲーム機で測定すると違った数値が出ることもあります。
また当然ですが、有線でのping値は不明です。
ですのでゲーム機を使って測定する方法も紹介しておきます。
フォートナイトで調べる
人気バトルロイヤルゲームの「フォートナイト」では、設定でpingを表示することができます。
基本無料のダウンロードソフトですので、それぞれのストアで探してみてください。
画像はSwitch版のものを使用しますが、PS4版でも基本的には同じです。
1)Xボタンからプレイを始めましょう。ロビーの設定ではpingの表示はできません。
2)バトルが始まったら+ボタンを押し、メニューを表示します。
3)右端にある歯車のマークを選択します。
4)「HUD」から、「ネットデバッグのステータス」をオンにします。
5)左上にかなり小さな文字で、pingなどの情報が表示されます。
オンライン対戦に必要なpingの目安
pingについてお話してきましたが、「結局pingはいくつなら大丈夫なの?」と思われたことでしょう。
先ほども紹介したとおり、pingが小さければ小さいほど、安定した回線であると言うことができます。
オンラインゲームにおいて、どれくらいのpingが必要かという明確な基準はありません。
さまざまな情報を総合すると、おおよそ50ms以下であれば遅延を感じることはほとんどありません。
スマブラなどの対戦ゲームでは、1フレーム(60分の1秒の場合が多い)の差を争うような上級者の戦いもあります。
その場合は、10ms〜15msあれば通信環境が勝負を左右することはなくなります。
pingの改善方法
pingを改善するにはどんな方法があるのか紹介します。
それぞれの環境によって、できることとできないことがあると思いますが、参考にしてください。
有線接続を利用する
ゲーム機でオンライン対戦をする場合は、有線接続を利用するのは一つの方法です。
基本的には有線接続のほうがpingが低く、安定した通信環境が期待できます。
無線(Wi-Fi)の場合、有線接続と比べて通信が不安定です。
ある時点で計測したときには低い数値であっても、別に測ったときにはまったく違う数値が出ることも少なくはありません。
電子レンジの利用で通信が途切れるなど、家庭内のさまざまな環境に左右されやすいので、できれば有線接続でプレイできる環境を整えましょう。
NintendoSwitchの場合、LANケーブルを直接差し込むことはできません。
別売りのLANアダプタを用意しましょう。
回線を見直す
いくら家庭内の環境を整えても、もととなる回線が不安定であれば、pingが改善することはありません。
家庭でインターネットを契約している場合、光回線かケーブルテレビの回線(メタル回線)を利用していることでしょう。
両者を比較した場合、おすすめは圧倒的に光回線です。
詳しい説明は省きますが、技術的に光回線のほうが安定した高速通信を行うことが可能です。
その上で、光回線にもいくつかの種類があります。
代表的なものを紹介しておきます。
フレッツ光
出典: flets.com
もっとも多くの人が利用しているのが、NTT系のフレッツ光です。
NTTの安心感と、全国の広い範囲で利用できるのが魅力です。
「ソフトバンク光」「ソネット光」などのサービスは、フレッツ光の回線を利用した「光コラボレーション」ですので、基本的な部分では代わりはありません。
NURO光
出典: www.nuro.jp
ソニーが提供するサービスで、フレッツ光とは別の回線を利用しています。
ベーシックなプランでは、2Gbpsの下り速度を売りとしています。(フレッツは最大1Gbps。プランによる。)
私も実際に利用しているのですが、速度に関して言うことはなく、pingが1桁になることも珍しくはありません。
ただし対応エリアは、執筆時点では以下のエリアに限られています。
出典: www.nuro.jp
10Gbpsのプランもありますが、提供エリアはさらに限られます。
またそれを利用するには各種機器を対応させる必要があり、また現時点ではそこまでの通信速度が一般家庭において必要になることはありません。
au光
出典: www.au.com
auが提供するサービスで、こちらもフレッツ光とは別の回線を利用しています。
こちらはベーシックなプランでは1Gbpsで、これと同じ料金で5Gbpsのプランを利用することができます。
ただし対応エリアはNURO光よりさらに狭く、関東地方に限られます。
こちらも10Gbpsのプランがありますが、NURO光の場合と同様、現時点ではほとんど検討する必要はないでしょう。
機器が古くないかチェック
オンライン対戦においては、回線速度はpingほど重要ではありません。
一般的には10Mbps程度あれば問題ないと言われますが、アップデートなどでダウンロードする機会も少なくないので、速いに越したことはないでしょう。
しかし1Gbpsの下り速度が出る回線を利用していたとしても、その速度に全然届かないこともあります。
理由として考えられるのは、機器が対応していない可能性です。
LANケーブルの種類
まずはLANケーブルです。
LANケーブルにはその性能を表す「CAT」という種類があります。
CAT5のものは100Mbpsまでの通信にしか対応していないので、どれだけがんばっても100Mbpsを超えることはありません。
1Gbpsの光回線と契約している場合は、「CAT5e」「CAT6」のLANケーブルを使うようにしましょう。
LAN端子の接続規格
ほかにも接続機器側のLAN端子の接続規格も重要です。
「10BASE」だと10Mbpsまで、「100BASE」だと100Mbpsまで、「1000BASE」だと1Gbpsまでと決まっています。
ちなみにPS4の場合は「1000BASE-T」となっていますので、理論上は1Gbpsまでの速度で通信が可能です。
Switchの場合はLANアダプタの性能に依存します。
まとめ
pingについて解説しました。
通信環境の安定というと、どうしても通信速度ばかりに目が行きがちです。
もちろんそれも間違いではないのですが、これからはpingにも注目して、オンライン対戦の環境を整えましょう。
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