数あるプラモデルの中でも長い歴史、多くのファンの心をとらえ続ける「ガンプラシリーズ」
これからガンプラ作りにチャレンジする方向けに、仕上がりをより美しくするヤスリの選び方や、ガンプラ作成用におすすめのヤスリについて紹介していきます。
目次
プラモ作りに向いたヤスリ
パーツの切り取り跡を綺麗にする役目
ヤスリはプラモデルのパーツをランナーから切り離した際に発生する「ゲート跡」を削って表面を滑らかにする役割があります。
ゲート跡がある状態 |
ゲート跡を削った状態 |
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パーツ表面にゲート跡が残っていると、仕上がりの際の見栄えが悪くなるだけでなく、ひどい場合はパーツの組み合わせが悪くなる恐れがあるため、ニッパーに並んで用意した方が良い物の一つになります。
白化した部分 |
白化を直した部分 |
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また、パーツを切り取った時にニッパーの刃で潰された圧力でプラスチックが白く変色する「白化」した部分も、軽度な物ならヤスリで綺麗にすることができます。
ガンプラ向けのヤスリの種類について
材質がプラスチックで柔らかいガンプラでは、ペーパータイプ・スティックタイプ・スポンジシートのヤスリが一般的に使用されます。
出典: www.amazon.co.jp
出典: www.amazon.co.jp
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それぞれのヤスリの特徴をまとめると下記となっています。
種類 |
特徴 |
|
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ペーパータイプ |
使いたい分を切って使えて、一枚一枚が安価なため経済的。 ただし、紙のため破れる恐れもあり、細かい場所を削るのは苦手。 なお、使いやすいようにベースの付いたタイプなどもある。 |
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スティックタイプ |
棒状の金属ヤスリのため耐久性が高く、形状によっては細かい場所も削りやすい。 ただし、硬い分曲面のパーツなどに使用すると過剰に削ってしまう恐れもある。 |
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スポンジシート |
番手が高く、主にパーツ表面を仕上げるために使用する。 柔らかくどんなパーツにも対応しやすいが、バリを取ったりする工程には力不足。 |
ヤスリの番手について
ヤスリには#320など、「番手」と呼ばれる数値があり、これはヤスリの目(表面の粒子)の粗さについてを表す数値となります。
左:#400 右:#1000 |
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この番手は数値が小さいほど表面がざらざらして荒い粒子のものとなり、削る力が強いですが傷がつきやすいです。
逆に数値が大きいと表面のざらつきが少なく細かい粒子のものとなり、削る力は弱いですが傷がつきにくいです。
改造でパーツを大きく削りたい場合や、より表面を滑らかにしたい場合では使うヤスリの番手も多くなりますが、一般的にガンプラ作成には#320~#800の番手のヤスリが使われています。
番手 |
目の粗さ |
用途 |
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#800 |
細かい |
削った箇所を綺麗に仕上げたいときに使う |
#600 |
細かい |
削った箇所を綺麗に仕上げたいときに使う |
#400 |
粗め |
ゲート跡を取り除くときや白化部分を削る時に使う |
#320 |
粗め |
ゲート跡を取り除くときや白化部分を削る時に使う |
ヤスリがけをする時は、番手の小さい物から順にかけていき、番手の大きなもので仕上げるのが基本となります。
ただし、上記の4つすべてが必要という訳ではなく、ヤスリがけをするパーツのシチュエーションに合わせて使い分けるのが重要です。
作る人によっては粗めの#400を最初にかけ、細かい#600を仕上げに使うなど、作り手によってメインで使うヤスリも異なります。
最低でも、最初にかける目の粗い物、仕上げにかける細かい物をそれぞれ役割の違うものを用意しておきましょう。
ガンプラ用におすすめのヤスリ
今では100円ショップでもガンプラ作成に十分使用できるヤスリはありますが、プラモデル用に特化した物を使った方が楽にヤスリがけが出来て仕上がりがより美しくなります。
最初から小さく切ってある使いやすい紙ヤスリ
SK11 小さい耐水ペーパー 約32×70mm
5種×各20枚 C#240/#400/#600/#1000/#1500 100入
出典: www.amazon.co.jp
最初から小さく切られており、番手もメインとなる#240/#400/#600も揃っている事から経済的で扱いやすいペーパータイプのヤスリです。
使いようによってはこれ一つで仕上げまで問題なくこなせてしまう、初心者から玄人まで使えるオールラウンダーです。
ベース付きで買ってすぐ使えるスティックヤスリ
ウェーブ ホビーツールシリーズ ヤスリスティック HARD-2
細型 #400 プラモデル用工具 HT-666
出典: www.amazon.co.jp
こちらはペーパータイプのヤスリに硬いベースが付いた、日用品で言うなら爪切りの後に使う爪とぎに似た形のヤスリです。
平面のパーツや角を削るのに適した形状をしており、ベース付きのためすぐに使用できるのが魅力です。
紹介しているのは#400のものですが、異なる番手のタイプも販売されています。
安心と信頼のタミヤ製ヤスリセット
タミヤ クラフトツールシリーズ No.104
ベーシックヤスリセット (細目 ダブルカット) 74104
出典: www.amazon.co.jp
こちらはいわゆる「棒ヤスリ」と呼ばれる形状でプラモデル用に細かな扱いがしやすいサイズの物となっています。
金属製の切削面はプラモデル全般を含め金属加工にも使用できるので、改造なども視野に入れた方にはおすすめの品です。
平、半丸、丸の形状の異なる3本セットとなっており、状況対応能力が高いですがヤスリ本体が非常に硬いので削りすぎには注意が必要です。
仕上げ加工に最適なプラモ用スポンジシート
ゴッドハンド 神ヤス磨 厚さ2mm 高番手4種セット 各1枚入
出典: www.amazon.co.jp
番手が#4000~#10000と非常に高く、ガンプラの表面をより美しく仕上げることができるスポンジシートタイプのヤスリです。
厚さが2mmで柔らかいため、パーツの形状への対応能力も高く使いやすさは抜群です。
通常の仕上げでは、ここまで細かい物を使う必要はありませんが、目では見えないような細かな傷を削り取ることができるためパーツ塗装を視野に入れている方はぜひ用意しておくことをおすすめします。
ただし、番手が細かすぎるためゲート跡の処理の初期段階での使用には適していないので注意しましょう。
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