政府が供給する備蓄米を個人でも購入できるようになります。
この記事では、政府備蓄米の具体的な購入方法、価格や品質などについても解説します。
目次
なぜ今「備蓄米」が市販されるのか?
2024年に発生した猛暑は、お米の不作と価格高騰を引き起こしました。この状況に対応するため、小泉農林水産大臣は、政府が備蓄しているお米100万トンのうち、まずは30万トンを市場に放出する方針を明らかにしました。
今回の市場放出では、公平性を確保しつつ価格を抑えることを目的として、従来の競争入札方式ではなく「随意契約方式」が採用されています。これにより、小売業者が政府からお米を仕入れ、精米・パッケージングを行い、5kgあたり2,000円前後で消費者に販売することが想定されています。
個人向けの購入方法
政府備蓄米を個人で購入する方法は、主に「ネット通販」と「店頭販売」の2つがあります。
ネット通販で購入する
ご自宅で手軽に購入したい方には、ネット通販が便利です。
サイト |
商品名・容量 |
価格(税込) |
購入条件・開始日 |
発送予定 |
備考 |
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楽天生活応援米 5kg |
2,178円 |
5/29 午後 通常販売開始。数量限定で売り切れ後、再入荷あり |
6/7〜順次 |
送料込み。ポイント付与対象 |
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政府備蓄米 令和4年産 5kg |
1,998円 |
6月中旬ごろ |
送料無料 |
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和の輝き 5kg |
2,160円 |
5/29 13時から予約。会員登録+メルマガ購読必須、1人月1袋まで |
6/2〜 |
店頭(ダイシン等)でも扱い予定 |
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生活応援米等 |
取扱準備中/在庫薄 |
― |
― |
旧来からあるブレンド米と区別して検索する必要あり |
楽天グループ
農林水産省と連携し楽天市場の特設サイトで販売開始。
5月29日午後から販売を開始しましたが初回分はすぐに売り切れました。
在庫が追加され次第、今後も販売予定です。価格は5kg税抜1,980円(税込2,138.4円)で販売された例があります。精米器とのセット販売なども検討されています。
Yahoo!ショッピング Lohaco
5月29日より、Yahoo!ショッピングの「LOHACO by ASKUL」にて政府備蓄米の予約受付を開始しました。
価格:5kg 1,998円(税込) ※送料無料、数量限定、6月中下旬より順次配送。
アイリスオーヤマ
随意契約を締結し、自社のインターネット通販サイトやホームセンターで販売。
6月2日からの販売を目指し、5月29日から予約販売を開始しました。商品は2022年産米で「和の輝き」のパッケージを使用し、政府備蓄米であることがわかるシールを貼付しています。
価格は5kg税込2,160円です。
Amazon
Amazonも日本政府との随意契約を締結し、5月28日付で2021年産の備蓄米、2025t(トン)を申し込んでいます。
現時点ではまだ販売されてないようです。
以下のリンクでAmazonが出品する「備蓄米」をキーワード検索できます。
※現時点では政府放出の備蓄米以外が検索結果に表示されてしまうのでご注意ください。
メルカリ・ヤフオク
メルカリやヤフオクなどのフリマアプリやオークションサイトでは政府放出の備蓄米の出品を禁止することを発表しています。
予約のコツ
各サイトの「入荷お知らせ機能」をONにしておきましょう。
発売当日は、販売開始時刻に合わせてすぐに決済できるように準備しておくことが重要です。
決済エラーによるキャンセルで在庫が復活する場合もあるため、売り切れ表示後も数分から数時間はリロードしてみる価値があります。
店頭で購入する
お近くのスーパーマーケットなどでも順次販売が開始される予定です。
チェーン名 開始見込み・状況 想定価格 購入制限・備考 イオン 6月初旬から全国で順次販売 5kg 2,000円程度 約2万トン販売予定。店舗によっては在庫が限られる可能性あり。「複数原料米 国内産」などの表示で販売されていることも。 ドン・キホーテ 6月上旬から全国で順次販売 5kg 2,000円程度 早ければ週明けにも首都圏の一部店舗で販売開始。1家族1袋などの購入制限が想定されます。「米に関しては利益を求めない形」での販売を予定。 サンドラッグ 備蓄米が入り次第順次販売 5kg 2,000円程度 全国店舗に加え、傘下のディスカウントストア「ダイレックス」などでも販売予定。 アイリスオーヤマ ホームセンターで6月2日販売開始 5kg 2,160円 オンライン通販と並行して販売。政府備蓄米のシールが貼付されます。 タイヨー
6月中には販売 5kg 2,000円程度 県内76店舗で販売予定。1500トンを申し込んでいます。 ロピア 6月上旬見込み 5kg ≒2,000円台 店舗により整理券対応の可能性あり。 スーパーバリュー 6月上旬見込み 5kg ≒2,000円台 売場掲示を確認。 カインズ 随意契約承認後順次販売見込み ― 5000トンを申し込んでいます。 オーケー 随意契約承認後順次販売見込み 5kg 2,000円程度 1万500トンを申し込んでいます。 セブン&アイ・ホールディングス イトーヨーカドーが参加表明 ― 随意契約承認後順次販売見込み。 ゼンショーホールディングス
(マルヤ、マルエイ、ジョイフーズなど) 6月中の販売を目指す 5kg 2,000円程度 1200トンを仕入れ。外食事業(すき家、なか卯、はま寿司など)では使用しない方針。 コスモス薬品 価格・時期は検討中 ― 全店舗で販売予定。2万トンを申し込んでいます。 シジシージャパン加盟店
(ニシムタ、大和、なりざわなど) 6月上旬に加盟店に納入見込み ― 5000トンを申し込んでいます。加盟店への希望通りの入荷量は未確定。中小スーパーからは消費者の支持や販売経験への懸念の声も聞かれます。 ファミリーマート 6月上旬以降販売予定 1kg 400円程度 約3000トンを申し込んでいます。コンビニでの販売形態(1kg)に注目。 中小スーパー 一部で取り扱い検討中または懸念 ― 随意契約の対象外となる場合が多いですが、今後は小規模店への供給方法も検討される見通しです。既存の備蓄米が在庫になる懸念の声も聞かれます。
店頭購入のポイント
店頭では精米したての状態で入荷することが多いため、発売日は直前に告知される傾向にあります。
各店舗の公式X(旧Twitter)アカウントのフォローや、チラシのチェックをこまめに行うことをおすすめします。
人気商品はすぐに売り切れる可能性があるため、入荷情報を逃さず、可能であれば開店直後など早めの時間帯に店舗を訪れるのが良いでしょう。
備蓄米の価格や品質について
価格の目安
政府から小売業者への売渡価格は、玄米60kgあたり税抜10,700円(5kg換算で約892円)とされています。
これに精米、包装、物流コストなどが加わり、当面の小売価格は5kgあたり2,000円前後となる見込みです。
品質について
今回販売される政府備蓄米は、主に令和3年産から令和4年産のものがブレンドされる予定です。
国の低温倉庫などで適切に保管されています。食味は、一般的なブレンド米と同程度とされており、「まずい」という噂は必ずしも正確ではありません。
収穫から時間が経過しているため、新米に比べて水分量がやや少なく、粘りや甘み、香りが若干劣る傾向はありますが、日常の食事として十分に美味しく食べられる品質です。
近年の保管技術向上もあり食味は改善されています。
政府備蓄米は長期保存用として特別に処理されたものではなく、精米後は通常の市販米と同様に徐々に風味が落ちていきます。そのため、精米後は早めに(目安として2~3ヶ月程度)消費することが推奨されます。
備蓄米で誤解が広がっており、一昨日から、品質や食味は5年たってもほとんど劣化しないと述べてきたが、こちらの意見も参照を。
においに言及する方もいるが、米ぬかの関係であり、しっかり精米するか、炊飯前に米をしっかり研いで頂ければ、味はほどんど変わりません。https://t.co/Xu1P3isgix…
— 和田 政宗 (@wadamasamune) May 30, 2025
備蓄米の味について、定量的なデータを貼っておこう
【そもそも味が変わるとは何か?】
①貯蔵による脂肪酸度が上昇(糖脂質が加水分解し古米臭を発生)
②タンパク質変性(水分移動によるもの)
③水分低下・吸湿(乾燥でも高湿でも悪化)【対策】
長期備蓄では、
玄米で水分15%未満、温度15℃以下にて、…— 破綻国家研究所 (@InsHatanCountry) May 29, 2025
購入時の注意点・今後の見通し
購入制限
多くのオンラインストアや店頭では、「お一人様月1袋まで」といった購入制限が設けられています。また、随意契約の条件として、転売は禁止されています。
追加放出
今回の初期放出枠である30万トンが終了した後も、市場の価格動向などを注視しながら、順次追加の放出が予定されています。各販売事業者の再入荷通知などを活用し、情報をチェックしましょう。小規模な小売店への供給方法も今後検討される見通しです。
政府備蓄米の見分け方
店頭に並ぶ際に「政府備蓄米」と明確に表示されるとは限りません。以下の点を参考に、備蓄米由来のお米を見分けましょう。
価格: 5kgあたり2,000円台(税込2,160円前後)という安価な価格帯であること。
表示: パッケージに「政府備蓄米」とわかるシールが貼付されている場合があります。また、「複数原料米」「国内産」と表示されていることが多いです。「複数原料米」は複数の品種・産地・収穫年のお米がブレンドされていることを、「国内産」は日本国内で収穫された米であることを示します。
パッケージ: 各社のブランド商品として販売される場合もあります。シンプルなデザインや「生活応援」「家計応援」といった名称が多い傾向があります。
精米年月日: 精米年月日が政府の備蓄米放出時期(例えば2025年春以降)と関連している可能性があります。パッケージの裏面や側面に記載されています。
これらの要素を総合的に見て判断します。不明な場合は店員さんに尋ねることもできますが、店舗側も明確に「備蓄米です」とは言えない場合があることを理解しておきましょう。
精米後の保存
政府備蓄米は備蓄時点では玄米であり、販売前に精米されます。精米された白米は、通常の市販米と同様に徐々に風味が落ちるため、商品到着後は2~3ヶ月程度を目安に消費し、残ったお米は冷暗所で保管するようにしましょう。
長期保存食との違い
今回販売される政府備蓄米は、日常消費用のお米です。災害時などのための長期保存食をお求めの場合は、窒素充填などで5年程度の保存が可能な専用商品(例:「備蓄王」など)が別途市販されています。これらは今回の政府備蓄米とは異なる商品ですので注意してください。
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